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余白をたのしむ小さな手製本

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花店noteさんのお花とともに。

2018年1月16日~28日まで、緑地公園のblackbird booksさんで開催したmichi-siruve exhibition「汀の虹」無事12日間の展示を終えました。一番冷え込んだ日の最低気温が-3度。豊中では珍しく雪が降り、道も凍り。寒い日が続いたにも関わらずたくさんの方々がお越しくださいました。本当にありがとうございました。

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詩をおさめた展示什器は造形作家の馬遊舎さんが創ってくださいました。

blackbird booksさんの壁一面に詩と花を浮かべて描いた“汀の虹”。朝日や夕陽、そして壁を眺めてくださったたくさんの方々のまなざしや声を受けて煌めくその様子を、ただただうれしい気持ちで見つめていました。

28篇の詩が描く闘病を経験した心の足跡に、ご自身やご家族の経験を重ねて声をかけてくださった方。闘病を経験されたご友人を誘い、一緒に見に来てくださった方。ふらりと来店して製本や装丁の質問をしてくださった学生さんが後日ご自身で装丁した本を見せにきてくださったり。ご友人用にと詩集をオーダーくださった方が翌日もう1冊オーダーに来てくださったり。「この本におさめたいものがある」と余白をたのしむ手製本を持ち帰ってくださったり。壁に浮かんだ詩と花を眺めながら、本当に色んなお話をしました。箱におさめてくださった手書きのメッセージの数々も含めて、受けとったことばの一つひとつをこれからの制作の道標として大切にします。

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12日間の展示を終えて、豆本詩集『汀の虹』を含めて手元から旅立った手製本は全部で128冊でした。手渡した1冊1冊に交わしたまなざしがあり、ことばがあり、持ち帰ってくださった方の想いがあり。手渡すことができなかったけれども持ち帰ってくださった方の1冊も含めて、わたしにとってはどれも1冊以上の重みがあるもの。だからこそ、今回の展示ではその数を“数える”ことにも大きな意味を感じた展示でした。

『汀の虹』も、昨年分から今回の展示分までを足すと159冊が手元から旅立ちました。がん経験者の心の変化という繊細なテーマにも関わらず、たくさんの方が手にとってくださっていること、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。純粋に詩や花に触れてくださった方。経費をのぞいた全額を寄付するというチャリティーのかたちに心を寄せてくださった方。三角形から2種類の花まで、何変化もする本のかたちをたのしんでくださった方。詩と花を選んで自分だけの1冊を綴じることにたのしみを見出してくださった方。それぞれが思い思いに『汀の虹』に触れ、何かを交わし、持ち帰ってくださるそのグラデーションの豊かさもまた、綴じ手としてうれしく感じています。今年分の寄付は昨年同様、12月にまとめてお納めする予定です。

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そして展示最後の2日間は花店noteさんとの同時開催でした。病によって失ったものを憂い、霧の中にいた頃のわたしに微笑みをくれた花店noteさんの花たち。花一輪一輪、そして花とともにいただいたことばの一つひとつに力をもらいました。そしてその花を本におさめさせていただけたからこそ『汀の虹』はたくさんの方々に触れていただける1冊になったようにも思います。そんな足跡も振り返りながら、花と本と訪れた方々と過ごした時間は特別なものでした。準備から展示期間、そして撤収までそっと見守りサポートしてくださった店主の吉川さん、そしてすべてを包みこんでくれたblackbird booksという場所にも感謝の気持ちでいっぱいです。

病によって断ち切れてしまった営みや関係を一つずつ、自分の手で繋ぎなおし、人と繋がりなおす力をくれた花と本とともに過ごした12日間。本当に濃い12日間で、でも本当にあっという間。それが人生なのだと改めて感じた日々でした。この12日間の意味はもっと後になってわかることかと思いますが、ささやかながら展示のお礼として今感じていることをここに記します。お越しくださった皆さま、そしてさまざまなかたちでお力添えをくださった皆さま、本当にありがとうございました。お返しは少しずつ。『汀の虹』や「余白をたのしむ小さな手製本」は、これからも縁のあった場所で静かに届けてゆけたらと思っています。これからもよろしくお願いいたします。

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