汀の虹とは

『汀(みぎわ)の虹』は、3年前に突然にがんを患い、闘病を経験した著者の“心の揺らぎ”を28篇の詩に綴った豆本詩集です。「一.深淵」は、がんを告げられベッドに沈みながら治療に耐えた日々の記憶。「二.海霧」は、失ったものを憂い、霧の中にいた日々の記憶。「三.汀の虹」は、他者との出会いや関わりの中で、少しずつ歩みはじめた日々の記憶。

喪失から生まれるかなしみ、くるしみ、孤独。がんであってもなくて、生きている中で誰しもが感じるような“心の揺らぎ”を掬い上げ、そっと本にとじこめています。記憶の呼び水のように、それぞれが心の内に抱えてきたものがじんわりと滲み出し、触れあい、何かを交わしてゆくきっかけになれば…。そんな想いをこめて一冊ずつ手で綴じています。

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「傍におきたい詩だけお贈りできたら」 という想いから、本に綴じる詩を選ぶこともできるようになっています。透き通った紙だけを使い、祈りをこめて折りだけで仕上げた豆本。好きな詩だけ摘み入れ、余白にメッセージや写真を入れ、花のような形で飾ることもできる小さな詩集です。

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「伝えるため、のこすため」というよりは「読み手の心の声を聴くため」に綴じたこの詩集では、今までは自分ひとりが受けとり力をもらってきた読み手の方々の声を、Webサイトにもそっと置いていきたいなと考えています。

今はまだ、声を持たない小さな花たちが並んだWebサイト。これから本に触れてくださる方々から声を預り、お花一輪につきお一人ずつの声を添えていきます。本文に「looking for…」と書かれているお花からお好きな一輪をお選びいただき、その花にいただいた言葉を添えさせていただきます。期限や文字数、表現の制限など何もないので、もし言葉が浮かんだら、その時によせていただけたら嬉しいです。花の声が少しずつあつまって「人それぞれに揺らぎながら生きている」ということをじんわり感じていただける場所に育てていけたらいいなと思います。

※Voiceについて※
“心の揺らぎ”をテーマに、本に触れてくださった方々の声をあつめます。

たとえば、詩集の中で何か心が揺らいだ詩やフレーズ・言葉について、感じたことや思い出したこと。詩集の中にはないけれど、本を読む中でご自身の記憶から思い出した“揺らぎ”など、“心の揺らぎ”につながること何でもお寄せください。

この本に触れたあなたの“心の揺らぎ”も、お聴かせいただけると嬉しいです。

※『汀の虹』は、材料費と販売経費を除いた1冊につき約500円を、がんを経験した方々への相談サポートを続けるNPO法人への寄付金として納めさせていただきます。多くの方々の支えがあってこその今の自分。少しずつでもお返ししていきたいというささやかな願いもこめて、この小さな詩集をお贈りします。

 

著者

藤田理代 Michiyo Fujita

1984年東京都小平市生まれ、大阪府豊中市在住。脳出血で寝たきりになった祖父の介護をきっかけに、大学で社会福祉を学ぶ。同時期に書店で働き本に触れる中で、病によって断ち切れてしまった人の記憶や関係を本の力でつなぎなおすことはできないかと考えるようになる。

卒業後は本やWebメディアの制作現場を巡り、2014年に29歳で絨毛がんを患い闘病を経験。寛解後は“記憶”をテーマにZINE制作をはじめ、取材、撮影、執筆、編集、製本まで自らの手でおこなっている。

母が撮りためた家族写真のアルバムを娘の視点で再編集したZINE『母のまなざし』(2013)。がん闘病中の患者と家族の言葉のやりとりを綴じた『かぞくのことば』(2014)。祖母の遺品を撮影し、のこされた家族から聴いた祖母との記憶を添えて綴じた『otomo.』(2014)。がんを経験した3年間の“心の揺らぎ”の流れを綴じた詩集『汀の虹』(2017)など。

2015年からは、依頼者から“大切な記憶”を預り豆本におさめて贈る「掌の記憶」という本づくりで日本のまちを巡りながら、制作と展示をつづけている。

>>michi-siruve Webサイト

 

『汀の虹』出展・出店情報

2017年 「『汀の虹』お披露目会」- みつづみ書房(兵庫県伊丹市) 10/7,8
2017年 「ZINE DAY OSAKA vol.3」- レトロ印刷JAM(大阪府大阪市) *10/28 29
2017年 「Zine it vol.8」-ライブハウス「ぱ〜く」(宮崎県宮崎市) *11/23
2017年 「三条富小路書店8」-ギャラリーh2o(京都府京都市) *12/5-17
2018年 『汀の虹』展示 - blackbird books(大阪府豊中市) *1/16-28

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